セックスは排泄行為？？
当ブログ7月１９日のエントリー 諏訪澄って誰？ で、Yamaki622さんから
>当時、軍人たちの間で慰安婦は「共同便所」と呼ばれていました（隠語的に）。
とのご示唆をいただいたので、調べてみました。
「慰安婦」強制を示す元軍人の証言（7） 見送ってくれた慰安婦
Yamaki622さんの blog*色即是空 2007年6月4日のエントリー
彼女たちは、みんなだまされて連れてこられたのだと言っていました。「マサコ」「キョウコ」「ハナコ」などと日本名で呼ばれていました。兵隊たちの間では、慰安婦のことを「共同便所」といっていました。
半月城通信 No. 28
2. 「従軍慰安婦」志願者
（引用開始）
最近、小林よしのり氏などは、軍隊に慰安婦は必要であり、軍が関与するのは当然で何が悪いのかと日本軍本位の主張をしていますが、この発言のうらには「従軍慰安婦」は軍需物資であったという「ゴーマン」な考えがあるのでしょうか。当時、海軍などでは「従軍慰安婦」は女というより軍需物資であるので、女人禁制（？）の軍艦でも貨物室に乗せることができるという考えなども軍国主義ならではの考えといえます。
こうした人たちにとって、「従軍慰安婦」は「人」である前に、性欲処理のための「玩具」であったのかも知れません。しかし、これはまだましな見方かも知れません。はなはだしくは、ある軍人など「従軍慰安婦」を「公衆便所」と表現しまし。１９３９年、第１１軍の麻生徹男軍医は具申書「花柳病の積極的予防法」のなかで
「軍用特殊慰安所は享楽の場所にあらずして、衛生的なる共同便所なる故・・」
と極論しました。こうした軍人の価値観で「従軍慰安婦」を判断することは、当時の価値観でももちろん許されるものではないと思います。この麻生軍医は、公衆便所としての機能を追求し、その答えとして朝鮮半島の少女に目をつけるのですが、それについては次回書くことにします。
（引用終了）
花柳病の積極的豫防法
Doronpa's Page 〜不思議の国の韓国〜
四、アルコール飲料
(略）
之によれば「アルコール」に因る疾患が減少せば花柳病亦減少するが明白となれり。又「ストツダート」の報告によれば、「マサツセット州にては禁酒令発布以来花柳病の数は低下せりと。「イクテマン」の報告によれば「レイニングラード」の花柳病伝染の二五・〇％は飲酒の結果なりきと。然るに一方米国の軍隊にて一九〇〇年以来酒保に於て「アルコール飲料を全く厳禁にしたる結果、士卒は止むなく酒場や、「カフエー」に行く状態となり、却つて花柳病の増加を見しと言ふ、此の点細心熟慮せざれば竜頭蛇尾の類となる。何れにせよ花柳病の伝播に「アルコール」は重大なる役割を有する事実は何人も否むを得ず。然かも一旦罹つた花柳病の経過に及ぼす「アルコール」の影響を考へ見るなら、其の思ひ半ばに過ぐるものあらん。
小官は此の見地より軍隊内にて最小限度の酒の消費せられん事を切望するものなり。増して今日まで軍隊内諸事故の大部分が所謂「酒の上から」なる事実は此の確信を益々強固にするものなり。
軍用特殊慰安所は享楽の場所に非ずして衛生的なる共同便所なる故、軍に於ても慰安所内にて酒類の禁止されあるは寧口当然の事なり。然れども小官慰安所監視中しばしば酒類飲用の跡を見しは甚だ遺憾とする所なり。此の為めにも営業者の監視、娼婦の監督、引いては之れ等の教育指導を必要とする。
わたしは、麻生氏の著作『上海から上海へ』は未読なので断定はできないのですが、氏が「慰安所」＝「共同便所」と認識していた一方で、慰安所内における性病の蔓延、慰安所内での規律の乱れ（飲酒など）を憂慮して、慰安所に替わる娯楽施設の充実を主張していたことも以下の部分から充分に推察できると思います。
五、禁欲
禁欲は有害なりと言う者あり。彼等は性欲禁忌現象まで羅列し、其の有害を説く。小官は思う、性慾と精力とは個人々々により非常なる相違ありと。或る者にては其の強くも非らざる色慾を抑制するに、左程意志の力を籍らざるも可なるが、或る者にては性慾が強烈にて如何にしても之れを抑圧し得ずと言うが如し。禁慾が有害にして其の結果生殖器神経衰弱症を起し、摂護腺腫大や所謂色情性副睾丸炎等を惹起せし実例が果して幾何ありや。
要するに、禁慾の目的貫徹如何は衛生的生活法を前提とす。勤勉営々として働き傍ら適当なる慰安の道を講じ、色慾の乗ずる隙を作らぬが第一条件なり。此れ各個人の品性、性欲、信念等にて左右せらるヽ問題にして些か抽象論となるを以つて更に述ぶるを得ず。小官一人の考へよりせば、想ひを一度び東亜百年の大計の上に走らさば、此所一年、二年の禁慾尚余り有りと言ふ可し。
（中略）
私は特に比の中で第四項を強調したかった。
"娼楼に非らざる慰安の場所"それは私個人としても切に求めたるものであった。兵站基地としての上海の雰囲気が第百一師団と第十八師団の交代で、兵より音楽を遠ざけひたすら野性の追求に向わしめた。いくら戦地戦場でも性の放恣放逸は許されない。（昭和五十九年三月十八日発行の「上海より上海へ」に記す）
問題は、麻生の勧告がどう受け止められ、どんな対策が講じられたのかでしょう。これに関しては資料を持っていないので、ご存知の方はご教示いただけると有り難いです。
（２００７年７月２１日追記）
id:hokke-ookami さんから情報をいただきました。
性的慰安施設を除いて、日本軍は慰安とよべるものをほとんど提供していなかった。軍医たちはしばしば、健全な慰安・娯楽施設が必要だと提言していた。たとえば、麻生徹男軍医少尉は三九年、軍慰安所とは別の慰安施設や、音楽・映画・スポーツなど娯楽施設の設置を提案している（麻生前掲書）。しかし、これはほとんど実現されなかった。生活利便施設*1はきわめておそまつなままだったのである。くわえて、休暇も与えられなかった。欧米の軍隊は第一次世界大戦の経験から、一定期間の休暇を与えていたが、日本軍は陸海軍とも一部をのぞいて戦時には休暇を与えていない。しかも、兵営内では、兵士の人権はまったく認められず、上官の厳しい監視と私的制裁が日常的におこなわれていた。
では次に、この言葉について 秦郁彦先生がどういう扱いをしているかを紹介します。
３ 「性病天国」の南方占領地
ジャワでは軍人が少なく（戦争中期は一万人前後）、占領地行政に当る文官や民間企業員、戦前からの在留邦人（サクラ組）が多かった。
そのせいか、占領初期には軍専用の慰安所はほとんど見られず、民間の売春宿が主力だったが、四三年後半頃から軍専用も設置されるようになり、悪名高いスマラン慰安所事件（第六章参照）をひきおこす。
前記のオランダ政府報告書は、その理由について性病増加のためだろうと推察しているが、おそらくこの推察は正しい。
『ジャワ新聞』（朝日新聞の経営）は、四三年二月の「熱地衛生」と題したシリーズで、「共同便所は誰一人汚す心算で使用する者はなくとも汚れ勝ちなものです・・・・・・慰安所を開くとき、どんなに厳選しても日が経てば殆ど全部が花柳病になってしまいますから健全な慰安婦を求めるのは無理です」「慰安婦の半数以上は黴毒・・・・・・ジャカルタの軍指定慰安所の女を血清反応で検査したところ、驚くなかれ半数以上が・・・・・・」と警告している。
また「安い、サービスが良い、スリルがある等の理由から、禁を犯して私娼に走る不心得物が絶えないようです・・・・・・・慄然(10)」とも書いているが、事態は一向に改善されなかったらしく、一年半後の記事では罹患率が「邦人の七割位(11)」とあるから、割引してもジャワは、「性病天国」と呼んだほうが良いのかもしれない。
(10) 『ジャワ新聞』 一九四三年二月一日、二日付
(11) 『ジャワ新聞』 四四年九月十一日付
理由はわかりませんが、見事にスルーです。是非、見解をお聞きしたいものです。秦先生は、この本で、麻生軍医の『上海から上海へ』を引用しておられるので、読んでおられるはずなんですが・・・
念のために申しておきますが、この引用も「・・・・・・」に何が書かれてあったかがわからない限り、引用文献の趣旨を充分に反映したものかどうかは甚だ疑問です。また、「性病天国」という表現自体が非常に奇異ですが、どこからそういう発想が生まれてくるのでしょうか？
おまけ
２ちゃんねるの東亜＋にこんなカキコがありました。
【緯度経度】 ワシントン・古森義久 慰安婦問題での陰謀説 【産経新聞】[04/21]
114 ：<丶｀∀´>（´・ω・｀）（｀ハ´ ）さん ：2007/04/21(土) 21:16:13 id:Q98iRTGt
>>89
慰安婦が“comfort women”なんだよな。
確かに直訳すればそうだけど、これが実はまずい。
その方式だと慰安所は“comfort station”になる。これは英語で「公衆便所」って意味。
つまり、「朝鮮女を慰安所で働かせた」→「朝鮮女を公衆便所で働かせた」になる。
これではイメージが悪い。
確かに、"comfort station"は「公衆トイレ」のことですが、旧日本軍自体が慰安所を「共同便所」に喩えてますよ。「朝鮮女」って書く無神経のがよっぽどイメージ悪いですよ。
「慰安所」は「強姦所」じゃなくて「合同便所」だと言い張る方がおられましたら、ぜひとも、この質問に答えていただきたい。
セックスっていうのは排泄行為なんですか？
*1:米軍が日本人捕虜に必ず尋ねる"amenities"のこと
