矜持をかなぐり捨ててまで弁護したいものは何?
ミャンマーで銃弾に倒れた長井健司氏。古森さんが彼をどう評価しているのかは別として、世間からみれば古森さんと長井さんはどちらも同じジャーナリストですよ。彼への想いや追悼を述べることもなく、また、武力弾圧の真っ只中にあるミャンマーの人々を助けようとする各国の政府や国民の行動にも触れず、何が何でも小沢批判の「都合のいいとこ取り」のこじつけブログ・エントリですか?
ミャンマーにみる小沢一郎氏の信奉する国連の無力さ――中国に縛られた安保理 ステージ風発(2007/09/29)
さてミャンマー問題に対する国連のあり方についてイギリスのフィナンシャル・タイムズ米国版9月28日付に「国連総会は無能力の意識を高める」という見出しの記事が載りました。その本文の冒頭は以下のような記述でした。
「ビルマでの大規模な抗議集会と、それに対する軍部の激烈な弾圧は全世界に衝撃波を送り広げた。しかしニューヨークでの年次国連総会に出た世界各国のリーダーたちは呆然とした見物人以上のなにものでないほどに矮小化されていた」
フィナンシャル・タイムスの当該記事はこれですね。
UN assembly heightens sense of impotence
(Finantial Times - Published: September 28 2007 03:00 | Last updated: September 28 2007 03:00)
The huge protests in Burma and the fierce military crackdown that followed have sent shockwaves round the globe. But the world's leaders, meeting in New York for the United Nations annual general assembly, have been reduced to little more than appalled spectators.
古森さんが翻訳したのはこの部分だけ。まあ、翻訳が下手すぎってのは、この際置いておきましょう。
- アメリカが即座に取った制裁措置、ヨーロッパの措置は時間がかかるかもしれないこと、ミャンマーの軍事政権は制裁措置を気にしてないこと、フランスがTotalに新規投資凍結を働きかけていること、Unocalとの絡み、中国は表立って制裁措置
できるようにが取れるように思えないが、ASEANの動きに影響されるかもしれないこと、イブラヒム・ガンバリ国連特使の働きが期待されていること。
ちゃんと最後まで解説してくださいよ。途中から別のニュース・ソース持ち出して、何やってるんですか?
「国連安保理は無力!」→「小沢はマチガットル!」って言いたいだけでしょ。
「国連安保理決議1386」を根拠に、ISAFではなく、アメリカ軍の作戦OEF/MICに強引に参加して6年間、国民に内実を公表しないで、無理筋で入れた最近の安保理決議のこれまた前文で「テロ特措法」の延長を謀る自民党政権。小沢はそこを白日の下に晒して、国民の意を問え!って言ってるんでしょうに。
昨日のエントリー *1といい、もう居酒屋の政治論議レベルですわ・・・ブログだからそれで構わんっちゃぁ構わんけど、古森さん、あなたにとって正義とは何ですか?
Mr. Komori, you should do the right thing!
(追記)
古森さんは、『米国から見た海自派遣問題』と題する日経BPのコラムで、次のように言っている。
こうした潜在危険性の原因は周知のように、日本側の民主党の小沢一郎代表によるインド洋への自衛隊派遣への頑強な反対である。小沢氏はアフガニスタンでの治安維持活動と一体になったインド洋での「海上阻止行動」が合計約30カ国もの参加を得た国際的な対テロ闘争の重要部分であるにもかかわらず、「米国の戦争」と特徴づけ、猛反対をしている。国連の承認がなければ、参加はできないと主張する。
(中略)
しかもアフガニスタンでの欧米諸国による対テロ闘争は国連の承認をも得ている。インド洋を舞台とする「海上阻止活動」もその範囲内であり、つい最近、国連が感謝決議を採択したほどである。
(強調は引用者)
ここで古森さんが主張しているのは、
「国連安保理決議は重要」→「小沢はマチガットル!」
だと思うんだけど(脱力)
*1:pr3さんが秀逸な批評をされているので、そちらを紹介