中山成彬前国交相の妄言などなど

中山さん、辞めちゃいましたね。辞めれば済むってもんでもないし、辞めない政治家、辞めない大臣を国民は求めてることさえお気づきにならないほど腹が立ってるんでしょうね・・・自分と意見を異にする人たちに対して。今日、2008年9月28日付の京都新聞から『憂国の士』中山さんの妄言を拾い出してみました。

中山[前]国交相の発言要旨*1

▽二十五日の報道各社インタビュー
【成田空港反対闘争】
 ごね得というか、戦後教育が悪かったと思いますが、公共の精神というか公のためにある程度は自分を犠牲にしてでもというのがなくて、自分さえよければという風潮の中で、なかなか空港拡張もできなかったというのは大変残念。

単一民族
 日本は随分内向きな、単一民族といいますかね、あんまり世界と(交流が)ないものですから、内向きになりがち

大分県の教員採用汚職事件】
 大分県教育委員会の体たらくなんて日教組(が原因)ですよ。日教組の子どもなんて成績が悪くても先生になるのですよ。だから、大分県の学力は低いんだよ。国学力テストを提唱したのは、日教組の強いところは学力が低いのではと思ったから。現にそうだよ。学力テストを実施する役目は終わったと思っています。


▽二十七日の自民党宮崎県連会合あいさつ
日教組の解体】
 日教組には一生懸命やっている方もいるが、一部の方々は考えられないような行動を取っている。教育基本法改正の時も、毎日、何百人という先生が国会議事堂を取り巻いていた。この先生方は子どもたちをどうしているのか。過激な性教育も行なわれております。国歌・国旗についても教えない。何よりの問題は道徳教育に反対していることだ。
 何とか日教組解体しなきゃいかんと思っているところでございます。民主党の最大の支持母体*2でございます。


▽会合後の記者団インタビュー
 日本の教育の「がん」である日教組をぶっ壊すために、私が頭になるんだと決意を示した。(二十五日の日教組関連発言は)別に撤回していません。


つまりだ、

  • お国のために『滅私奉公』することが皇国臣民の義務であり、
  • 天皇陛下を戴く大和民族は世界に冠たる優秀な単一民族国家だから、アジアの覇権、世界の覇権を取って当然であり、各劣等民族にはそれなりに対応する『大東亜共栄圏』の復活を目指し、
  • 性教育ジェンダー教育なんかもってのほかで、女性は男や家父長制の道具であると教えねばならず、
  • 日の丸・君が代を崇め奉り、『教育勅語』を理想とする道徳教育を徹底的に行い、国民を天皇陛下の臣民として育て上げる。それに外れる教育は認めない
  • それに反対する日教組、そのバックにある民主党をぶっ壊して、自民党単独の独裁政権体制を確立しなければならない。
  • それが日本のあるべき姿であり、そうでなくては日本は発展しない。

って言いたかったわけでしょ?
そこまで名言する勇気もなく、それなりに空気読んで発言して、予想外に大きな反発喰らって、謝っても許してくれなさそうだから開き直って、結局辞めちゃったわけで、彼ははっきり言って「腰抜け」である。「自民党腰抜け『憂国の士』列伝」はどこまで続くのであろう。この際だから、思いっきりはっちゃけてほしい。


同日付の京都新聞紙面から引用を続けます。

与党「総選挙戦えぬ」*3

 中山氏の発言が伝わると、笹川尭総務会長は「予算委員会の大事な審議を控えている中、大臣としてはうかつだ。進退は自分で決めるしかない」と厳しい認識を示し、別の党幹部も「(問題発言を)いろいろ連発しているようだ。困ったものだ」と不快感をあらわにした。政権を懸けた選挙を控えた[自民]党内に、中山氏を守ろうという空気はほとんどなかった。
 連立を組む公明党の視線はさらに厳しい。
 二十六日の自公幹部会合で「閣僚らしからぬ発言」と強い不快感を自民党に伝えたばかりだけに、[公明]党幹部の一人は「長引くと支持率に影響する。二十九日の所信表明演説までに決着させたほうがいい」と早期辞任を要求。同時に「これで十月三日解散−十一月二日投開票の流れになってきた」と、各党代表質問が終了する十月三日に首相は衆院を解散するとの見通しを示した。


中山さんは、結局、近く行なわれるであろう衆議院選挙で与党がさらに不利になるから辞めたわけで、政治信念を貫くこともできなかったわけだ。マジもんのチキンである。でも、そんな中山さんを支持する知事*4がいるんだから呆れ果てる。「類は友を呼ぶ」ってことでしょう(追記:『同じ穴の狢』のほうが適切?)。

この記事でさらに問題なのは、公明党にとっては国民の願いに答える政治の実現よりも与党政権にいることのほうが重要だということである。自民党が選挙に負ければ、さっさと自民を切り捨てて、新与党政権に擦り寄ろうとするのは確実である。こいつらは極度の日和見主義者(opportunist)である。公明党がキャスティング・ボートを握る限り日本の政治はよくならない。


(追記)
【新たな妄言】

今度は大阪引き合いに=職員組合を批判−中山氏時事ドットコム - 2008年9月28日)

民主党が政権を取れば、日教組自治労の支援を受けているので、日本が大阪府みたいになる」−。国土交通相を辞任した中山成彬氏は28日の記者会見で、大阪府を引き合いに日教組など職員組合を批判した。教員採用をめぐる大分県汚職事件に関して「日教組の子どもは成績が悪くても先生になる。だから大分の学力は低い」とした発言については、「名指しで言ったのは申し訳ない」と陳謝したが、今度は大阪府に矛先を変えて職員組合を攻撃した形だ。
 この中で中山氏は「大阪府は長年、職員組合と癒着関係にあり、職員の給料が高い。ヤミ手当や裏金もあり、財政破綻(はたん)にひんしている」と述べた。その上で「橋下徹知事は職員組合の支援を受けず、広く府民の支持を受けているから、命懸けの改革ができる」とした。 (了)

はしげへの公明支持は無視かよ。中山、きめぇよ! もう、ガン無視しましょう!

*1:2008年9月28日付京都新聞、第1面および第2面より。強調は引用者。

*2:民主党さん、チキンが思いっきり喧嘩売ってますので、よかったら買ってやってください。

*3:2008年9月28日付京都新聞、第3面より。強調は引用者。

*4:国交相発言「本質ついてる」 橋下知事は擁護論』(asahi.com - 2008年9月27日)

中山国交相の発言に対し、学力調査の結果公開を求めて市町村教委とバトルを繰り広げている橋下徹大阪府知事は26日、報道陣に「表現方法は賛否両論あると思うが、本質をついているような発言なんじゃないですか」と話した。橋下知事は「(公開には)教員が大騒ぎして大反対している。教員組合が強いかどうかはわからないが、教員が教育の中立性の名の下に府民の声を聞かなかった」などと述べた。