「慰安婦」ドキュメンタリー映画 "Behind Forgotten Eyes"
注文していたアンソニー・ギルモア監督の「慰安婦」ドキュメンタリー映画 "Behind Forgotten Eyes" のDVDが届いた。
■"Behind Forgotten Eyes" のDVD注文について
- ”Behind Forgotten Eyes” 購入ページ
- 25米ドル。クレジットカードとPayPalへの登録が必要)
このDVDには日本語字幕も英語キャプションもついていないので、暇なときに英語を聞き起こししている。時間がかかるかもしれないが日本語翻訳をつけて公開するつもりでいる。
ところで、このDVDの中で、際立って異様なシーンがあった。Youtube にアップしてみたので、ご覧いただきたい。
昭和史研究所所長の中村粲獨協大学名誉教授は、あるインタビューの中で、調査にあたって元「慰安婦」にインタビューしたことも、話を聞いたことも、会話をしたこともない*1と語っている。
また、秦郁彦日本大学名誉教授は、インタビューの中で「業者が親からブローカーを介して買ってきた」ので「雇用関係は業者と女性たちの間にある」と語っているが、この発言は秦が元「慰安婦」の徴集の実態はおろか、当時の公娼制度もよく理解していないことを示唆しているのかもしれない。
1993年12月時点で韓国保健福祉部に申告した元「慰安婦」175名のうち人身売買のケースは4名であり*2、秦の認識と実態はかなり違っている。
さらに、人身売買そのものは、明治5年に禁止されており、昭和3年(1928年)に東京府貸座敷組合が東京府会議長宛てに出した陳情書では『我国の公娼制度は人身売買にあらず。又雇用契約に依るものにも非ず。』という主張*3がなされている*4。
このことは、貸座敷業者と公娼が雇用関係を結ぶことは当時の公娼制度でも認められていなかったことを物語っている。またあからさまな人身売買が公娼制度に違反することも業者は認識していたのである。
なお、"Behind Forgotten Eyes"のDVDには、旧日本軍が占領地の女性を性奴隷にした証拠として米軍の公式文書が2つ入っている。それらによると、旧日本軍は、アメリカ人看護婦、ドイツ人女性、フランス人女性も性奴隷にした*5ことが示唆されている。
*1:Adam Gamble & Takesato Watanabe "A Public Betrayed: An Inside Look at Japanese Media Atrocities and Their Warnings to the West", 2004, Regnery, Washington DC, p.319
*2:鄭鎭星『日本軍の性奴隷制―日本軍慰安婦問題の実像とその解決のための運動』、2008年、論創社、62ページおよび81ページ
*3:市川房枝編『日本婦人問題資料集成〈第1巻〉人権 (1978年)』、1978年、ドメス出版、423ページ
*4:この主張の正当性はここでは問題にしない