「強制性」と「強制連行」


Composite Reportのほうは解決まで時間がかかりそうなので、


産経新聞のサイト"Iza"
http://www.iza.ne.jp/
日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会編 『歴史教科書への疑問』(1997年、展転社
目次 http://tendensha.co.jp/syakai/syakai144.html
国会会議録検索システム
http://kokkai.ndl.go.jp/
戦後60周年(外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/index.html

などを中心に、慰安婦問題における問題点について考えてみたい。


河野談話」は強制性、韓国から働きかけ 米慰安婦決議案(産経新聞 03/01 22:11)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/diplomacy/41426/

 しかし、談話の根拠は元慰安婦女性からの聞き取り調査だけ(注1)で、9年3月の参院予算委員会で平林博内閣外政審議室長は「個々の証言を裏付ける調査は行っていない」と答弁。河野氏自身も同年、自民党の「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の会合で「強制的に連行されたものかについては、文書、書類では(証拠は)なかった」(注2)と述べている。


 証拠がないにもかかわらず、政府が強制性を認めたのはなぜか−。河野談話作成にかかわった石原信雄元官房副長官によると、当時、韓国側は談話に慰安婦募集の強制性を盛り込むよう執拗(しつよう)に働きかける一方、「慰安婦の名誉の問題であり、個人補償は要求しない」と非公式に打診していた。日本側は「強制性を認めれば、韓国側も矛を収めるのではないか」との期待感を抱き、強制性を認めることを談話の発表前に韓国側に伝えたという。(注3)


 (注1)談話の根拠となったのは元慰安婦からの聞き取り調査のみではない。

関係者からのききとり
  元従軍慰安婦、元軍人、元朝総督府関係者、元慰安所経営者、慰安所付近の居住者、歴史研究家等

いわゆる従軍慰安婦問題について(平成5年8月4日)(PDF)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/pdfs/im_050804.pdf


 (注2)原文は以下の通り

「・・・一番問題になりました、本人の意に反する形での募集が行われたのかどうかという点につきましては、少なくとも文書類では確認されなかったと。」


『教科書への疑問』、301ページ

*(注の注)これは一次調査での時点の話であり、二次調査によって「官憲が直接これ(募集)に加担したこともあったことが明らかになった。(河野談話)」


 (注3)原典不明

まあ、産経の引用もあまり信じられなさそう(またか)ではあるが、それは追い追い明らかにしていくとして、問題はここの記述。

・・・河野氏自身も同年、自民党の「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の会合で「強制的に連行されたものかについては、文書、書類では(証拠は)なかった」(注2)と述べている。


 証拠がないにもかかわらず、政府が強制性を認めたのはなぜか−。


「強制連行」=「強制性」ってことでしょうか?


実は、安倍衆議院議員(当時。『日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会』事務局長)、これと同じ混同をしている。

安倍晋三事務局長 最近の国会答弁でも明らかになっているとおりですね。内閣外政審議室においても、客観的に軍の強制を裏付ける資料はなかったということは政府の公式な答弁で・・・・・・。


衛藤晟一幹事長 強制連行ですね。


安倍晋三事務局長 強制連行についてはなかった(注1)、というのが政府の公式の回答であります。16名の韓国人の慰安婦の証言がその官房長官談話の主たる根拠となったわけでありますが、それについても裏付けを取らなかったということを(平林博)外政審議長は認めているわけであります。
(中略)
 また、話題になれば載せるということであります。それであれば、じゃ、小学校の歴史の教科書にも載せるおつもりがあるのかどうか、あるいは「援助交際」を載せるつもりがあるのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。


(上掲書、92〜93ページ。強調は引用者による。) 

(注1)話の流れからすれば、「強制連行を裏づける資料はなかった、」でしょうが、この飛躍は安倍氏に限ったものではない。


う〜ん、間違いを指摘されると、話がヨレヨレになってしまうのは昔からなんですねぇ・・・今は「最高権力者」、日本国の首相であらせられますので、とっても心配なんです。首相がじゃなくて、われわれの将来が。