「美しい国」から「とてつもない日本」に


辞職を表明した安倍首相は「戦後レジュームからの脱却」と「美しい国・日本」をその目標に掲げて、強行採決連発やら、慰安婦侮辱発言やら、一文字騒動やら、を起こしてきたのだが、次の自民党総裁*1麻生太郎氏になると・・・


とてつもない日本 (新潮新書)

とてつもない日本 (新潮新書)


とてつもない日本 (Aweful Japan!)」に!


商品の説明から

麻生太郎 アソウ・タロウ

1940(昭和15)年生まれ。外務大臣学習院大学政経学部卒業。麻生セメント社長、日本青年会議所会頭を経て、1979年衆議院議員に初当選。以降当選9回。自民党政調会長総務大臣などを歴任。モントリオール五輪クレー射撃日本代表として出場。祖父は吉田茂元首相。


抜粋
 はじめに

 平成十七(二〇〇五)年の暮れ、外務大臣としてインドを訪問する機会があった。首都ニューデリーに滞在中、できたばかりの地下鉄を視察したのだが、この時インドの方々からうかがった話が今でも忘れられない。
(略)
 すると、逆にこんなふうな話をしながら、改めて感謝されたのである。


 ----自分は技術屋のトップだが、最初の現場説明の際、集合時間の八時少し前に行ったところ、日本から派遣された技術者はすでに全員作業服を着て並んでいた。我々インドの技術者は全員揃うのにそれから十分以上かかった。日本の技術者は誰一人文句も言わず、きちんと立っていた。自分が全員揃ったと報告すると、「八時集合ということは八時から作業ができるようにするのが当たり前だ」といわれた。


 悔しいので翌日七時四十五分に行ったら、日本人はもう全員揃っていた。以後このプロジェクトが終わるまで、日本人が常に言っていたのが「納期」という言葉だった。決められた工程通り終えられるよう、一日も遅れてはならないと徹底的に説明された。


 いつのまにか我々も「ノーキ」という言葉を使うようになった。これだけ大きなプロジェクトが予定より二か月半も早く完成した。もちろん、そんなことはインドで初めてのことだ。翌日からは、今度は運行担当の人がやってきた。彼らが手にしていたのはストップウォッチ。これで地下鉄を時間通りに運行するよう言われた。秒単位まで意識して運行するために、徹底して毎日訓練を受けた。その結果、現在インドの公共交通機関の中で、地下鉄だけが数分の誤差で運行されている*2。インドでは数時間遅れも日常茶飯事であり、数分の誤差で正確に動いているのは唯一この地下鉄だけである。これは凄いことだ。


 我々がこのプロジェクトを通じて日本から得たものは、資金援助や技術援助だけではない。むしろ最も影響を受けたのは、働くことについての価値観、労働の美徳だ。労働に関する自分たちの価値観が根底から覆された。日本の文化そのものが最大のプレゼントだった。今インドではこの地下鉄を「ベスト・アンバサダー(最高の大使)」と呼んでいる----。


 私はこの話にいたく感銘を受けた。
 地下鉄建設に携わった日本人技術者たちの仕事ぶりそのものが、優れた外交官の役割を果たしたのである。彼らはなにも、よそ行きのやり方をやって見せたわけではない。いつものように、日本で普通に行なっているスタイルで仕事をしたに過ぎない。しかしそれが、インドの人々には「価値観が覆るほどの衝撃」だったのだ。


 日本ではよく「カローシ(過労死)」を例に挙げて、日本人は働き過ぎだ、日本人の働き方は間違っているという人がいる。だがそれはあまりに自虐的で、自らを卑下し過ぎてはいないだろうか。「ノーキ」を守る勤勉さは、私たちが思っている以上に、素晴らしい美徳なのである
 
(略)

 日本はまことに不思議な国である*3
 敗戦後は一度も戦争をすることなく平和と安定を維持し、数十年に及ぶ努力の結果、世界史上でも希に見る経済的繁栄を実現した*4


 にもかかわらず、新聞を開けば、やれ格差社会だ、少子化だ、教育崩壊だ......と大騒ぎ。テレビをつければ凄惨な殺人事件ばかりが報じられ、識者と称する人たちが「日本はなぜこんなにおかしくなったのか」などと語っている。新聞やテレビを見ていると、まるで明日にでも日本が滅びそうな気がしてくる*5


 でも、ちょっと待っていただきたい。日本は本当にそんなに「駄目な国*6」なのだろうか。そんなにお先真っ暗なのだろうか。


 私は決してそうは思わない。むしろ、日本は諸外国と比べても経済的な水準は相当に高いし*7、国際的なプレゼンスも極めて大きい。日本人が考えている以上に、日本という国は諸外国から期待され評価されているし、実際に大きな底力を持っているのである。


 バブル崩壊以降、日本はもっとグローバル・スタンダードを導入すべし、などという議論*8が幅をきかせたけれども、私に言わせれば、むしろ「日本流」がグローバル・スタンダードになっている現実もあるのだ。トヨタソニー、カラオケ、マンガ、ニンテンドー、Jポップ......。「ノーキ」や「カイゼン」が、世界の経済にどれだけ貢献しているか。インスタント・ラーメンやカップ麺が、どれだけの人を救ったか。
 日本は、マスコミが言うほどには、決して悪くない。いや、それどころか、まだまだ大いなる潜在力を秘めているのである。

 
(略)

 祖父・吉田茂は、私が幼い頃、よくこんなふうに語っていた。
「日本人のエネルギーはとてつもないものだ。日本はこれから必ずよくなる。日本はとてつもない国なのだ」----。
 私はいま、その言葉を思い出している。


まだまだ、「ノーキ」や「カイゼン」で締め上げるつもりらしい。日本ばかりでなく世界中の労働者を・・・うわぁぁぁ、殺されるぅぅぅ


If Taro Aso gets his way, Japan is about to trade “Beautiful Japan”, which was Shinzo Abe’s political slogan, for “Awesome Japan”. the title of Mr Aso’s recent book and proto election manifesto.

*1:民意なき首相二代目

*2:あまりにこれだけ追求した結果、悲惨な列車事故とか脱糞事件まで起きてますが

*3:「カローシ」を問題視せず、「ノーキ」や「カイゼン」を美徳と言い切るあんたのが不思議

*4:美しい国」はしっかりと継承している

*5:マスコミ嫌いみたいだが、産経も嫌いなのかな?

*6:国民は駄目じゃないですよ。自民党と財界トップが駄目なだけで

*7:怪しい、

*8:竹中平蔵とは仲が悪そうだ