どくしょのじかん Part 2 -その3(上)-
『慰安婦』関係の書籍の間違いを指摘したり、著者の作為的引用や捏造を指摘してばかりいると、時々、なんともいえぬ嫌な気分になることがある。今回は、そんな妖怪に魅入られたような心持をを振り払う意味からアプローチを変えてみた。
DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 2007年 06月号 [雑誌]の特集に『「慰安婦」100人の証言』という数ページの記事がある。100人の元『慰安婦』の写真を、出身国、『慰安婦』にされた経緯、『慰安所』で受けた蛮行などを含む短いコメントと共に紹介したものである。このコメントをもとに、足りない情報を補いながら、いくつかのポイントで視覚化してみた。
100人の国籍
この国別比が、元『慰安婦』全体の国別比を正確に反映するものではないが、韓国で多くの被害女性が名乗りを上げたことに続き、フィリピン、台湾、中国(海南島、山西省)などでも多くの被害女性が名乗りを上げていることを示していると言えよう。韓国の被害者にのみ焦点を当て「慰安婦の強制連行はない!」という論がはびこっているが、それでは『慰安婦』問題を正確に捉えたことにはならない。
また、奇異に感じるのは、日本の元『慰安婦』がほとんど名乗りをあげていないということである。いまだに売買春に恐ろしく寛容な日本社会の状況なども考慮に入れながら、その理由を考える必要があると思う。また、沖縄の慰安所や日本国内に設置された『産業慰安所』についても、より多くのことを知っていかなければならないと思う。