どくしょのじかん Part 2 -その3(下)-


DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 2007年 06月号 [雑誌]

DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 2007年 06月号 [雑誌]

この雑誌の特集記事『「慰安婦100人の証言』のデータを視覚化してみて、あらためてショックを受けたのが次のグラフ。



アメリカ軍のミッチナの捕虜尋問報告書*1に書かれている通り、"comfort women"ではなく、まさに"comfort girls"*2ではないか!


国際法も国内法も遵守しなかった日本軍、未成年の女性を「性の道具」として使役し、彼女たちの一生を台無しにし恥じ入ることがなかった日本軍、不幸な身の上にあった女性を食い物にした日本軍・・・

あなたの愛する娘が同じ目にあったら許せるか?戦争だから仕方がないと言えるか?貧しさが原因で身売りした売春婦じゃん!と斬り捨てることができるのか?


さらに、最初に提示した『慰安所マップ』を違う形で提示しよう。


これでも強制連行がなかった!と言えるのか?


ここでデータ化して表すことはできない、この100人の女性が『慰安所』で受けた性暴力、身体の傷、心の傷こそが問題なのだ。同じくデータ化できない、『慰安所』の地獄の年月を生き残っても、女性としての幸せを奪われ、恥と自己否定と想像を絶するトラウマの中で何十年も生きてきた女性たちの辛く厳しい日々こそが問題なのだ。

わたしたちの北朝鮮拉致被害者への思いは非常に強い、とても素晴らしいことだ。そして被害者や被害者家族の望む形で拉致問題を解決しなければならない。だからこそ、同じ思いを元『日本軍性奴隷』にされた女性たちにも向けてほしい。


慰安婦問題は国益の問題ではない、国の名誉の問題でもない。反日プロパガンダでもなければ、日本を貶める陰謀でもない。被害を受けた女性たちに加害者が何をすべきかの問題なのだ。


ネット上では、彼女たちの証言をじっくり読めるページは少ないが、日本軍が慰安所システムを作ったことのどこが問題なのか、被害者に対して何がなされるべきなのかも含めた日本語の報告書がある。ぜひ、目を通してみてほしい。彼女たちが望むことは何か?私たちが出来ることは何か?かんがえてみてほしい。


■日本:60 年を経てなお待ちつづける 日本軍性奴隷制のサバイバーに正義を (アムネスティ・インターナショナル日本)
 http://www.amnesty.or.jp/modules/mydownloads/visit.php?cid=8&lid=30

*1:Japanese Prisoners of War Interrogation Report No. 49.

*2:womenは成人女性、girlは未成人女性の意